父親の想い出③

父は二年前に亡くなりました

泌尿器や頸椎狭窄症や皮膚癌やら色々と悪い所はあったのですが

認知症の母を父が頑張って看てくれていました

二世帯同居で私達家族と一緒でしたが、昼間は仕事で家に居ないので父が一人で

母と向き合っていました


母の事もまた書いていこうと思っていますが、徘徊とか妄想とかすごくて…

頸椎狭窄症の影響で左足が不自由な父が、健脚な母の徘徊を止めるのは本当に大変

だったと思います

外に出れないように柵をしたり、家の中は酷い有様でした

脱水症状で母が入院し認知症も進行しているので、そのままずっと病院で看て頂く事になり

これでやっと父も楽になるだろうと思いましたが、そう上手くはいかないものです

今度は父が見る見るうちに体調が悪くなりました


母が居るあいだは責任感で気を張っていたんですね

父を病院に連れて行った時には、もって二週間と言われました

父は多臓器不全にまでなっていたのに、私は仕事ばかりで母を任せて母から逃げて


父が入院する前の一週間、たった一週間だけ父は私に甘えました

下の世話をやらせてくれたし、ご飯も食べさせてあげたし、手を繋ぎたがったし

あの一週間は、私の後悔をすこしでも和らげる為の時間を父がくれたように思います

手を繋ぎながら、昔の想い出話をすると笑ってくれました

そして、死ぬ時は孫二人と私に見守られれば充分だと、私が手を繋いでいてくれさえすれば

安心して逝けると、もうそれだけが望みだと


父の最期は、その望み通りになりました

涙を一筋残して逝ってしまいました


仕事に逃げた自分、介護支援を積極的に取り入れなかった自分、後悔しています

後悔というより恥じ入っています


亡くなってから、一度だけ夢に来てくれた事があります

私はゴキブリが大嫌いなのですが、夢で「もうゴキブリ倒せるよ」って父が言ったんです

その日、本当にゴキブリが出てきて殺虫剤で倒しました! 生まれて初めて!


お父さん、ありがとう

お父さん、ありがとう

お父さん、ごめんね





たんぽぽ

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